ラビットヘアルチルクォーツ（アンフィボールインクォーツ）とは

ラビットヘアルチルクォーツとは、水晶の内部に、非常に細かく柔らかな針状の内包物がふんわりと広がるように含まれている天然石です。
この内包物はルチルではなく、アンフィボール（角閃石）系の鉱物で構成されており、ふわふわとした質感がうさぎの毛のように見えることから、この名称で呼ばれています。
市場においてはルチルクォーツの一種として扱われることがあります。

内包物の色合いは白色から淡い茶色、赤褐色などさまざまで、幻想的で柔らかな印象を持ち、パワーストーンとしても注目されています。
穏やかな気質と癒やしのエネルギーを持つ石として、アクセサリーにも人気があります。

ラビットヘアルチルクォーツは水晶が主体となっていることから、4月の誕生石に含まれることがあります。

意味・効果・言い伝えなど

ラビットヘアルチルクォーツは、柔らかくふんわりと広がるアンフィボールの内包が「癒やし」や「心の安らぎ」を象徴するとされ、優しい気質を感じさせる石とされています。
内包物の柔らかい見た目が、持ち主に安心感や温かさを与えると考えられています。

• 「癒やしの促進」柔らかな内包構造が心を穏やかに整えるとされています。
• 「精神の安定」ふんわりとした印象が感情の揺れを落ち着かせると信じられています。
• 「直感の促進」アンフィボールの構造が直感や洞察を優しく支えるとされています。
• 「保護と調和」柔らかい質感が保護力を感じさせ、バランスを促すと見なされています。

ラビットヘアルチルクォーツに関する古くからの具体的な伝承は確認されていませんが、その独特の「うさぎの毛のような」内包模様から、愛らしさや癒やしを象徴する石として扱われることがあります。
自然の穏やかな柔らかさを石に宿した存在として、人々に静かな安らぎをもたらす石とされています。

色（カラー）

ラビットヘアルチルクォーツは、透明または半透明の水晶を母体とし、そこに柔らかな白色、淡いグレー、淡い茶色、または赤褐色のアンフィボール系内包物がふわりと浮かぶように見える点が特徴です。
内包されたアンフィボール結晶は非常に細かく、多くの場合毛羽立った繊毛状に広がっており、その色調や密度によって、柔らかで穏やかな印象を与えます。

全体としては、透明な背景に淡いトーンの内包が調和し、落ち着いた色彩感と柔らかな光の陰影を醸し出します。
見る角度や光の強さによっては、内包の立体感や微細な色彩の変化が感じられ、まるで静かな風景や柔らかな毛並みを閉じ込めたかのような視覚効果を呈します。

原産地

ブラジル、マダガスカルなど

運気・石言葉

運気

癒やし	柔らかな内包模様が心を落ち着かせ、深いリラックスを促すとされています。
健康運	感情の揺れを穏やかにし、心身のバランスを整えるサポートとなるとされます。
厄除け・魔除け	柔らかな内包構造が穏やかな防護的作用を持ち、邪気や混乱から守ると信じられています。

石言葉

• 「優しい癒やし」柔らかな毛状の内包が心を軽くするとされています。
• 「安定の調和」穏やかな模様が感情のバランスを整える助けになると信じられています。
• 「守護の柔光」柔らかな質感が穏やかな護りを象徴するとされます。

浄化・お手入れ方法

原石	セージ	音叉	太陽光	月光浴	流水
◯	◯	◯	◯	◯	◯

ラビットヘアルチルクォーツは、基本的にすべての浄化方法が可能です。

鉱物データ

ラビットヘアルチルクォーツは、母体である水晶が三方晶系の結晶を形成する段階で、アンフィボールグループに属する細かな結晶が内包された天然複合鉱物です。
これら内包物は角閃石系鉱物で構成され、水晶の成長過程で鉱液中に含まれるカルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムなどの成分が条件に合致して析出し、非常に繊細な毛状または絨毯状に結晶化します。

内包されるアンフィボール結晶は、ルチルなどとは異なり、柔らかく繊毛状に広がる構造を形成します。
このような構造は、結晶成長速度や鉱液の化学組成、温度・圧力などの微細な変化に敏感に反応し、個体ごとに異なる広がり方や密度の違いを生み出します。
その結果、石ごとに模様の繊細さや柔らかさに大きな差があり、視覚的にも個性豊かな表情を見せることになります。

また、石英とアンフィボールでは結晶系や格子構造が異なるため、共存する境界部には結晶格子の不整合による内部応力や微細な亀裂が生じやすい構造となります。
これらは肉眼では見えにくいものの、光の屈折や反射を通じて内部構造の複雑さを感じさせ、加工や研磨時の脆弱さにも影響します。
したがって、カットや研磨の際には内包方向や密度、構造を慎重に観察し、破損を避ける配慮が必要です。

光学的には、アンフィボール内包物は光を散乱・拡散し、石全体に柔らかな乳白色のムードを与える場合があります。
特に、光が内包物に当たる角度や強さによって、微細な陰影や立体感が変化し、石の透明と不透明が交差するような視覚効果が現れます。
これにより、静かな温かみや視覚的奥行きを持つ外観を備えることが多いです。

さらに、ラビットヘアルチルクォーツの複雑な内包構造は、結晶成長時の鉱液組成および地質環境の情報を内包しているという点で、鉱物学および地球化学の観点からも研究価値があります。
初期の石英の成長環境と、後期のアンフィボール析出条件を解析することで、生成過程の履歴を解読する手がかりとなります。

和名	針水晶、金紅石入り水晶
英名	Rabbit Hair Rutilated Quartz (Amphibole in Quartz)
鉱物分類	水晶：ケイ酸塩鉱物 アンフィボール：ケイ酸塩鉱物
モース硬度	水晶：約7.0 アンフィボール：約5.0～6.0
結晶	水晶：三方晶系 アンフィボール：単斜晶系
組成	水晶：SiO2 アンフィボール：(Ca,Na)2(Mg,Fe,Al)5(Si,Al)8O22(OH)2

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