エンジェライトとは

エンジェライトとは、青みを帯びた硬石膏（アンハイドライト）の一種で、特にストロンチウムを含むことで淡い空色を呈する鉱物です。

名前の由来は英語 “angel” にちなみ、天使の羽や空のような色合いから付けられたもので、人々に平和や許しの象徴として親しまれています。
加工は難しいものの、アクセサリーや彫刻といった用途でも愛される存在です。

意味・効果・言い伝えなど

エンジェライトは「天使の石」として、優しさと癒しの心を持つ石とされています。
心のわだかまりを溶かし、平穏で寛容な感情を育む存在とされています。
自己肯定と他者への慈しみを促す働きがあると伝えられています。

• 「許しの心」自分や他人へのネガティブな感情を和らげ、許す力を育むとされています。
• 「インスピレーション」直感や気づきを伸ばし、迷いに明確な方向を与えるといわれます。
• 「コミュニケーション促進」穏やかな対話と関係の修復を助け、調和を促す力とされます。

エンジェライトはその名が「天使」を意味することから、古くより“天界からのメッセージを伝える使い”と考えられてきました。
持ち主に安らぎを与え、愛と平和を促す存在として尊ばれており、特に心に迷いや悩みを抱える人に寄り添うと語り継がれています。

色（カラー）

エンジェライトは主に淡いパウダーブルーから空色、帯青灰色に近い穏やかな青色が特徴です。
ミルキーで柔らかな色味が「天使の石」として親しまれる理由でもあります。

透明度は低く、透き通るというよりは絹糸のような光沢があり、落ち着いた雰囲気を醸し出します。
光の加減によってはほんのり灰味を帯びることもあり、やわらかで奥行きのある美しさを楽しむことができます。

原産地

ペルー、ボリビア、ナミビアなど

運気・石言葉

運気

癒やし	心の疲れやストレスを和らげ、心身にやすらぎをもたらすとされます。
人間関係	穏やかさを促し、相手との理解と調和、コミュニケーションを円滑にするといわれます。
厄除け・魔除け	不安や迷いを遠ざけ、安心感と精神の落ち着きを支える存在とされています。

石言葉

• 「許し」過去や自分に対する責める気持ちを溶かし、前向きな心を育むとされています。
• 「平和」内なる静けさと調和を象徴し、心と環境に平和をもたらすと言われます。
• 「導き」人生で迷いがあるときに直感や気づきを促し、正しい道へ進む支えになるとされています。
• 「気づき」日常の中にある小さな幸せや大切な存在に目を向ける力を促す言葉です。

浄化・お手入れ方法

原石	セージ	音叉	太陽光	月光浴	流水
◯	◯	◯	✕	◯	✕

エンジェライトは硫酸塩鉱物である硬石膏の一種で、水や湿気に弱く、水に触れると劣化する性質があります。
そのため流水での浄化は避けるべきです。
また、太陽光に長時間当てると退色やひび割れの原因となるため、こちらも適していません。

鉱物データ

エンジェライトは、硬石膏（アンハイドライト）の青色変種であり、化学組成は硫酸カルシウムにストロンチウムが加わったものです。
ストロンチウムの存在によって淡い青色が生じ、この特徴的な色合いが識別の重要な要素となります。

結晶系は斜方晶系に属し、結晶は板状や粒状の集合として産出する場合が多く、明瞭な自形結晶はまれです。
へき開は三方向に完全で、割れやすい性質を示します。
モース硬度は約3.0～3.5であり、柔らかい鉱物に分類されます。
そのため、摩耗や衝撃に弱く、加工や取り扱いの際には注意が必要です。

外観は一般に半透明から不透明で、光沢はガラス光沢や絹糸光沢を示します。
条痕は白色であり、このため顔料などの用途には適さなかったと考えられます。

形成環境としては、硫酸塩鉱物が蒸発岩中で結晶化する過程や、堆積環境下での二次的な鉱物変化により生成されます。
石膏が脱水することで硬石膏へ変化することが知られており、エンジェライトも同様の生成過程を経て産出します。

和名	硬石膏
英名	Angelite
鉱物分類	硫酸塩鉱物
モース硬度	約3.0～3.5
結晶	斜方晶系
組成	SrCaSO4

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