ハイパーシーンとは

ハイパーシーンとは、黒に近い濃い褐色や灰緑色の地色の中に、金属的な光沢を伴うシルキーな輝きが現れる天然石で、輝石グループに属する鉱物のひとつです。
見る角度によって浮かび上がる金属光沢は、斜め方向に流れるような線状の輝きとして現れ、独特の深みと存在感を放ちます。

精神力を強化し、困難に立ち向かう意志や決断力を高める石とされており、冷静な判断力を必要とする場面でのお守りとして用いられることがあります。

意味・効果・言い伝えなど

ハイパーシーンは、意志の強さや冷静な判断力を象徴する石とされ、混乱した状況の中でも落ち着いて物事を見極める力を高めるといわれています。
内面の静けさと行動力を両立させたいときに心強い存在とされています。

• 「意志の明確化」ぶれない思考と自分の立場をはっきりさせる力を与えるとされます。
• 「冷静な判断力の強化」感情に流されず、的確に物事を選び取る助けになるといわれます。
• 「内面の静寂と集中」雑念を鎮め、集中力と内省を深めるサポートになるとされます。
• 「困難への対応力」逆境の中でも動じずに進む力を育てるといわれます。

ハイパーシーンは、古代の戦士や指導者の間で「戦略と冷静さを授ける石」として大切にされたという言い伝えがあります。
その金属光沢を帯びた輝きから、強さと威厳を象徴する石とされ、困難な状況においても正しい判断を下すための守護石として信じられてきました。
また、精神と肉体のバランスを整える石として、儀式や瞑想にも使われていたと伝えられています。

色（カラー）

ハイパーシーンは、黒に近い濃い褐色、深い緑がかった灰色、または紫がかった暗色を基調とし、表面には金属的な光沢を伴う独特のシルキーな輝きが現れます。
この輝きは層状の構造による光の反射によって生じ、見る角度によって縞状や流れるような光沢として変化します。

全体としては重厚感と気品を兼ね備えた色合いで、落ち着きのある大人びた印象を与えます。

原産地

カナダ、アメリカ、ノルウェー、インド、ロシアなど

運気・石言葉

運気

仕事運	判断力と集中力を高め、状況に応じた冷静な対応を助けるとされる。
健康運	精神的な緊張を和らげ、ストレスによる心身の疲れを整えるといわれる。
厄除け・魔除け	外的なプレッシャーや混乱から自分を守り、精神を安定させるとされる。
癒やし	心のざわつきを鎮め、内面に静けさと落ち着きをもたらすとされる。

石言葉

• 「冷静」感情に左右されずに判断する力を象徴するとされる。
• 「集中」注意を一点に向けて物事に取り組む意志を高めるとされる。
• 「静寂」心を落ち着かせ、内面と向き合う穏やかな時間をもたらすとされる。
• 「守護」外部の影響を遠ざけ、自分自身の軸を保つ助けになるとされる。

浄化・お手入れ方法

原石	セージ	音叉	太陽光	月光浴	流水
◯	◯	◯	✕	◯	◯

太陽光による浄化は変色や表面の劣化を引き起こす恐れがあるため避けましょう。
ハイパーシーンは劈開性を持つため、流水による浄化は短時間に留めるのが望ましいです。

鉱物データ

ハイパーシーンは、輝石グループ（パイロクシン類）に属する鉱物で、特に鉄とマグネシウムを含む斜方輝石のうち、鉄分の多いものに分類されます。
鉱物学的にはエンスタタイトとフェロシライトの中間組成を持つものであり、一般に鉄含有率が高いものがハイパーシーンと呼ばれています。

変成岩中や火成岩の一部として産出される鉱物で、マグマの冷却過程で他の輝石類やかんらん石などとともに形成されます。
産出地域によって色合いや光沢の強さに個体差があり、装飾用には特に光沢が美しく出るものが選ばれます。

物理的には比較的硬度が高い部類に属しますが、一定方向に割れやすい性質（劈開性）があるため、衝撃や摩擦にはやや敏感です。
また、熱や酸に対してはやや脆弱な面があるため、取り扱いには一定の注意が必要です。

ハイパーシーンは現在、鉱物学的には「フェロシライト」として再分類される傾向にあり、”ハイパーシーン”という名称は宝石や流通上の呼称として残されています。
見た目の美しさと、深い色調の中に現れる金属的な光沢から、ビーズ、ルース、彫刻素材として広く利用されています。

和名	紫蘇輝石
英名	Hypersthene
鉱物分類	ケイ酸塩鉱物
モース硬度	約5.0～6.0
結晶	斜方晶系
組成	(Mg,Fe)2Si2O6

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