マザーオブパールとは

マザーオブパールとは、真珠を育む真珠母貝（アコヤ貝、白蝶貝、黒蝶貝など）の内側にある光沢の強い層（真珠層）を切り出して加工した素材です。
虹色の深い光沢とやわらかな輝きが魅力で、宝飾品やアクセサリー、時計文字盤などに幅広く利用されています。

真珠と同じ成分で構成されながら、貝殻そのものを加工するため、真珠より手に入りやすく、装飾用途として日本でも古くから親しまれています。

意味・効果・言い伝えなど

マザーオブパールは母性や愛情、内面の美しさを象徴するとされます。

• 「心の安定」感情のバランスを保ち、ストレス緩和につながるとされています。
• 「人間関係の調和」家族や友人との絆を深める助けになると言われます。
• 「美意識の向上」内面的な美を意識させ、自分を磨く意欲を高めるとされます。

マザーオブパールには海の恵みが込められているとして、航海中のお守りや安産祈願の護符として用いられてきた言い伝えがあります。

色（カラー）

マザーオブパールは真珠層ならではの虹色の光沢が特徴で、ベース色は白やクリーム色が多く見られます。
薄紫や薄ピンク、淡いブルーやグリーンなど、角度や光の当たり方によって柔らかく変化するプレイ・オブ・カラーが美しく現れます。
模様としては波紋のような縞模様や、雲のように広がる滲み模様が見られることがあります。

原産地

日本、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、タヒチなど

運気・石言葉

運気

恋愛運	愛情を深め、優しさや思いやりを引き出すとされます。
癒やし	精神を落ち着け、心に穏やかさをもたらすとされています。
人間関係	家族や友人との調和を保ち、絆を強めるとされます。
安産祈願	母性を象徴する石として、妊婦のお守りに用いられることがあります。

石言葉

• 「母なる愛」深い愛情と優しさを象徴します。
• 「保護」持つ人を見守り、守る力があるとされます。
• 「安らぎ」心に平穏をもたらす力があるとされます。

浄化・お手入れ方法

原石	セージ	音叉	太陽光	月光浴	流水
◯	◯	◯	✕	◯	✕

太陽光や流水による浄化は退色や劣化の原因となるため避けることをおすすめします。
柔らかくデリケートな素材であるため、優しい方法での浄化が適しています。

鉱物データ

マザーオブパールは、真珠を形成する貝の内側にある真珠層を指し、鉱物としては炭酸カルシウムが主成分です。
結晶構造としてはアラゴナイト型の結晶構造をとり、有機質のコンキオリンとの層状構造を形成しています。
これは貝が外敵や異物から自らを守るために分泌するもので、自然の中で形成される「生体鉱物」に分類されます。

この真珠層は、顕微鏡で見ると非常に薄い炭酸カルシウムの結晶が何層にも重なっていることがわかります。
それらの層が光を反射・干渉することで、独特の虹色の光沢を生み出します。
これは天然の干渉色現象であり、他の多くの鉱物には見られない特徴です。

マザーオブパールは、鉱物単体として形成されるのではなく、生物の生命活動の一環として形成されるという特異性を持ちます。
この点が、鉱床から採掘される一般的な鉱物とは大きく異なり、鉱物学的にも非常に興味深い素材とされています。
また、真珠との違いは、真珠が球状にこの真珠層が成長したものであるのに対し、マザーオブパールは貝殻の内壁として平面的に成長した部分を指します。

この構造のため、加工には慎重さが求められ、特に薄く切り出した板状のマザーオブパールは割れやすい性質を持ちます。
また熱や酸に弱く、保存・取り扱いには注意が必要です。

和名	真珠母貝
英名	Mother of Pearl
鉱物分類	生体鉱物
モース硬度	約3.5～4.0
結晶	斜方晶系
組成	CaCO3

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